中小企業の人財育成とは

私が社労士として独立開業したのは今から12年前である。

縁あって大手損保会社の営業マンたちと顧客開拓を3年間一緒にした経験がある。そこで感じたことは、仕事に対する姿勢が一流であることだった。おそらく子供の時から受験戦争に揉まれ、企業の採用戦線にも勝ち抜いてきたのだからいろんな意味で術(すべ)を心得ているのである。1年後、3年後、10年後と未来を見据えて自腹で必要と思われる勉強もしていることも知った。

かたや中小企業の社員はと言うと、正直ぬるま湯にどっぷりと浸かってしまうとそれ以上の向上心的努力はしないようである。全員とは言わないが理由を考えてみると、同じポジションでの競争相手がいない、残業もしているんだから自分なりに会社に貢献していると言う。それではと言うことで会社はスキルアップを考え、能力賃金制度とか職能給賃金制度とかコンサルの言うがままに取入れ、??百万円も費用を掛けた経営者もおられたが結果はどうだったか? もともと大企業ベースの職能給賃金制度(正確には欧米)なのであるから無理があったのだ。職務給制度なら理解はできるが。

コンサルの売り先が大企業から中堅企業、中小企業となり最近は税理士事務所や社会保険労務士事務所にも ”営業商品として利用しよう” とターゲットを変えてきているだけのことである。そう、売り先がなくなったのである。私の事務所にも毎月メール、FAX、郵便で案内がくる。何が言いたいかと言うと、形だけ真似しても大企業とは風土も土壌も違うのだからよくはならない。

”人が育てば、会社は良くなる。会社が良くなれば日本が強くなる”

と昨日のテレビ番組で言っていたが、たしかにそうだと思う。能力というものさしで差別化するのでなく、育てることが重要なのではないか。

中小企業社員の多くは、自ら進んで一歩先に行くことを苦手とし継続していくのが難しいのだ。反面素直な人が多いのも事実だ。ならば定期的に繰返し声を掛け教育を行い、スキルUP以上にモチベーションを奮い立たせることに主眼を置くべきだと思う。

私も30年以上前のことであるが、社会人として入社した4月の終わりに3日間の新入社員教育を受けその後7月に泊まりで応酬話法の営業教育を受けた。この時に感じたことは、教育の中身よりも自分に多大の教育費を掛けて育てようとしてくれていることを感じたことである。

どうだろうか。