厚生年金基金廃止(試案)発表

1ヶ月前の10月2日、厚生年金基金の廃止についての私見を載せましたが、その試案が厚労省より発表されました。

今回、代行部分の資金を国に返せずに解散できない基金を今後どうするか、厚労省は、(1)返済額を減額し、差額を厚生年金保険料で補填する(2)返済期限(現行15年)を延長して企業側に自己責任で返済させる2案を示した。ただ、(2)の場合も母体企業が倒産したら厚生年金から補填するという。基金は公的年金に上乗せした3階建て部分を企業が自己責任で運営してきたものだ。うまく運用できていた時は多額の(年金+基金)を支給し、失敗した時だけその不足する代行部分を厚生年金基金に加入していない多数の企業や被用者からの年金からの補填では納得できないだろう。

平成12年3月末時点で1,835基金数、1,189万人の加入者であったが、平成23年3月末現在で595基金数である。ここ10年間で1/3に減少した。そう解散できるところは解散したのであるがほとんどが大企業の単独型と連合型である。積立不足を支払って解散脱退したのである。数億~数十億支払った企業もある。

今残ってるとこは中小企業が加入している総合型がほとんどで、解散できなかっただけのことである。仮に積立不足1人あたり200万円なら30人の社員がいる企業は6千万円支払わないと脱退できないのである。支払えるはずがない。

会社のB/Sの負債には計上されていないが顧問税理士である会計の専門家は隠れ債務があると認識しているはずである。

厚生年金基金とはご承知のとおり、国家公務員の天下り先でもあるが(平成24年3月1日時点で基金に天下りしている国家公務員OBが721人と厚労省がその人数を発表)、私が、今回驚いたのは、厚労省の先輩たちが築いた基金制度を否定し、官僚OBの職場にもなっている厚生年金基金の制度を廃止するという提議を厚労省の当該分野を担当する官僚個人が発表したことである。従って本件は、今後相当に難航することが予想され内容も変化するだろうし、政治の状況を考えると決定に至るかどうかすら疑わしい。

言えることは、今後基金の受給者は年々増加しその保険料を支払う加入者は年々減少していることだ。 これではたとえうまく運用利回りを出しても数年後には必ずショートすることになる。

基金加入企業は、5~10年後に基金が廃止確定で代行部分の上乗せ支給無しであるなら、基金の掛金はドブに捨てるようなものである。ならば早く脱退するのが得策である。

従業員が100人なら、基金掛金1人あたり仮に7千円なら100人で毎月70万円捨ててることになるからである。